#youth | 「たまごっち」は文化!?──「たまごっち」から考える文化継承
バンダイは携帯型玩具「たまごっち」シリーズの最新作である「Tamagotchi Smart(たまごっちスマート)」を2021年11月23日に発売することを発表した。スペシャルサポーターとして就任したのは現在大人気のアイドルグループNiziUだ。
#たまごっち25周年 #JK #NiziU
culture
2021/06/28
執筆者 |
希麗
(きら)

20歳、大学3年生。滋賀県出身の台湾好きなフェミニスト。

バンダイは携帯型玩具「たまごっち」シリーズの最新作である「Tamagotchi Smart(たまごっちスマート)」を2021年11月23日に発売することを発表した。スペシャルサポーターとして就任したのは、現在大人気のアイドルグループNiziUだ。

SCREENSHOT / Tamagotchi Smart, BANDAI

最新作では今までのようにたまごっちを育成できることはもちろん、タッチ液晶とマイクの搭載によりたまごっちの頭を撫でたり声を掛けることができたり、スマートウォッチのように腕につけてたまごっちといつでも一緒に過ごせるといった機能も追加されている。

たまごっちって昔のおもちゃじゃない?

「たまごっち」と聞いて、自分がたまごっち世代であると感じる読者は多いのではないだろうか。実は、Z世代である私も「たまごっち世代」の一員である。そもそもたまごっちの歴史はいつから始まったのだろうか★1?

 

初代たまごっちは1996年に発売され、JK間での流行から、瞬く間に日本中でブームとなった。その後はさまざまな種類の「たまごっち」が発売され、海外でもブームになったこともあり、約2年の間に世界中で約4,000万個もの「たまごっち」が販売された。

初代たまごっち/SCREENSHOT/たまごっちの歴史, BANDAI

しかし、ブームに陰りが見え始め、「たまごっち」の売り上げは低迷していく。そこで取られた戦略がターゲットの変更だ。ターゲットを「たまごっち」世代ではない当時の小学生に変更し、当時主流であったガラケーと同じように赤外線通信機能を搭載することによって再起を図ったのである。この戦略は見事成功し、2004年に販売された「かえってきた!たまごっちプラス」では2度目のブームを巻き起こし、年間で500万個もの「たまごっち」を売り上げた

かえってきた!たまごっちプラス/SCREENSHOT/たまごっちの歴史, BANDAI

そして、私たちZ世代に馴染みがあるのが2009年に発売された「Tamagotchi iD(たまごっち アイディー)」である。「Tamagotchi iD」では、画面がカラーになり、見た目は宝石のようなデザイン、さらにたまごっちたちの着せ替えが可能になるなど、今までの「たまごっち」とは圧倒的な違いがあった。

Tamagotchi iD/SCREENSHOT/たまごっちの歴史, BANDAI

そして「たまごっち」は最新作である「Tamagotchi Smart(たまごっちスマート)」に至るまで、時代のニーズに合わせながら進化していくことで消費者を魅了し、「たまごっち世代」を増やし続けたのである。

なぜ「たまごっち」は世代を超えて愛されるのか

「たまごっち」の歴史から、バンダイのターゲット変更や世代のニーズに合わせた改良が「たまごっち」が世代を超えて愛されてきた理由であると考えてきた。私はそれに加えて、〈文化共有〉が「たまごっち」が世代を超えて愛されてきた理由ではないかと考える。

「たまごっち」発売から今日に至るまで、社会はAIの登場や急激なスマートフォンの普及など目まぐるしい進化を伴ってきた。これは初代たまごっち世代に当たる世代だけでなく、私たち若者にすら想像もつかなかったものである。私たちが想像もできないほどのスピードで変化していく社会のなかで、今まで以上に世代間の感覚や思考、文化に生じる“ジェネレーションギャップ”が増えたのではないだろうか。しかし、「たまごっち」は社会に合わせて進化しながらも、「たまごっちを育てる」という部分だけは変えずにここまでの販売が続けられてきた。ジェネレーションギャップが広がりを増し、個人の主張の尊重が重視されるなかで、「たまごっち」は主となるコンテンツの内容を25年間変えないことで「たまごっち」という共通点を私たちに与え、文化を共有させてくれ続けた。同じ文化を共有し、会話のきっかけや交流の架け橋になっているカタチこそが「たまごっち」が世代を超えて愛される理由のひとつなのではないだろうか。

「たまごっち」が教えてくれる文化継承のかたち

「たまごっち」は今年で25周年を迎える。ここまで見てきたように、「たまごっち」は何世代にも受け継がれ、私たちを「たまごっち世代」にしてきた。この背景には、時代とニーズに合わせ変化してきた側面と「たまごっち」の根本的な部分を変わらず守り続けてきた側面の2つが大きく作用しているのではないだろうか。私はこの「たまごっち」の世代を超えた継承が今日において多く取り上げられている「サスティナブル」に近いものなのではないかと思うと同時に、日本に残るさまざまな素晴らしい文化が「たまごっち」のように残っていってほしいと強く思う。

着物や日本舞踊、茶道など、日本の文化は私たち若者(の日常)と距離がある。そしてこの距離はどんどん離れていってしまうのではないかと私は強い懸念を抱いている。日本の文化を守るために最も重要なことは、若者である私たちがこの国と、この国の文化を愛し、「受け継ぐ」ことではないだろうか。日本文化の根本的な部分は守りながらも時代とニーズに合わせた変化が、今の日本文化には求められていると考える。

「サスティナブル」に日本がなるためには、「サスティナブル」なものを開発するだけでなく、従来のものを「サスティナブル」に変革することも重要であると思う。日本はたくさんの素晴らしい独自の文化が残る国である。この素晴らしい独自の文化を守るためには、根本的な部分は残しながらも時代とニーズに合わせて文化を変化させ、それらを継承するといった前向きな変革が私たちにも求められている。

★1──「たまごっちの歴史」バンダイサイト(©BANDAI)参照

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2021/06/28
執筆者 |
希麗
(きら)

20歳、大学3年生。滋賀県出身の台湾好きなフェミニスト。

写真 | SCREENSHOT/YouTube|BANDAI公式チャンネル【たまごっち】Tamagotchi Smart 25th アニバーサリーセット 商品概要
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