私たちは本当に気候変動をうけいれることしかできないの?:Climate Live Japan インタビュー
Climate Live Japanさんは、いわゆるミレニアル、Z世代といわれる若い世代のなかで、気候変動に対して危機感を抱いている方々が集まって活動されていると思うのですが、そもそも日本においては、世代を問わず、様々な要因で環境・エネルギー問題に対して関心を持っている人が少ないと言われています。
#Climate Live Japan
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2022/09/24
インタビュイー |
小出愛菜, 田代マホ, 高橋英江

小出愛菜

一般社団法人 we Re:Act共同代表

1998年生まれ。立正大学地球環境科学部卒業。埼玉県所沢市在住。 中学生の時、父親がきっかけで地球温暖化に関心を持つ。国際環境NGO FoEJapanインター ン、気候変動対策を求めるムーブメントFridays For Futureでの活動を経て、現在に至る。 Instagram:https://www.instagram.com/aina_koide/

田代マホ

Climate Live Japan共同代表/一般社団法人we Re:Act代表理事 1997年生まれ。建築学科在学中の一児の母。

高橋英江

Fridays For Futureの活動を得て今に至る、時々記事を書いたり、写真を撮ったりしてる人

河合結水(elabo)

本日はお時間をいただき、ありがとうございます。Climate Live Japanさんは、いわゆるミレニアル、Z世代といわれる若い世代のなかで、気候変動に対して危機感を抱いている方々が集まって活動されていると思うのですが、そもそも日本においては、世代を問わず、様々な要因で環境・エネルギー問題に対して関心を持っている人が少ないと言われています。これについては、elabo編集部でエネルギー・アナリストの大場紀章さんにインタビューをさせていただきました(https://www.elabo-mag.com/article/20211105-01)。今回は、日本のミレニアル世代、Z世代がどうして気候変動になかなか関心を持てないのかについてお話できればと思います。どうぞよろしくお願いします。まず、Climate Live Japan という団体の概要について教えていただきたいです。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

これはイギリスから始まった企画で、当時高校生だった少女が、気候変動をより多くの世代に伝えていきたいと考え、音楽という心に響くツールを用いれば、より関心を広げられるのではないか、ということから始まりました。そこから仲間を見つけるため、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんから始まった運動であるFridays For Futureの世界各国にある支部を通じて話が広がりました。その流れの中、日本にもFridays For Future Japanから声がかかり、Fridays For Future Japanとは別団体のClimate Live Japanとして活動を開始しました。集まった有志のボランティアメンバーとともに、2021年には4月・10月にオンラインにて開催をし、現在は、約10名のメンバーとともに10月のライブに向けて準備中です。        

■活動を始めたきっかけ

 

河合(elabo)

私の体感にはなってしまうのですが、大学にいてもジェンダーやアイデンティティの問題にはすごく関心はあるけど、環境問題はまだ考えられないみたいな人が多いと感じます。なので、私と同世代の方々が集まって、このような活動されている方がいらっしゃるのがすごいなと思います。そういった現状がある中で、現在、活動をされているメンバーの皆さんがClimate Live Japanの活動に参加するきっかけとなった原体験などあれば、ぜひ教えていただきたいです。      

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

私の場合は、父が社会問題について話してくれる人で、昔から「食べられない子供もいるのだよ」と貧困問題について教えてもらったりしていました。そういった環境の中で育ち、地球温暖化についての話を聞いたことがきっかけで地球温暖化に関心を持ちました。でも実際に活動するきっかけになったのはグレタさんがの活動を知ってからでした。それまで私も何か自分でアクションを起こしたいと思ったんですけど、ビビッてしまって行動を起こせずにいた中で、当時15歳のグレタ・トゥーンベリさんが一人で気候変動を訴えるために国会前で座り込みを始めたというニュースを見て、「私もやらないと」と思うようになり、動き始めました。なので、関心を持ってからアクションを起こすまでのスパンがすごく長かったです。関心を持ったのが中学生で、大学3年生でアクションを起こし始めたので、考えている時間が長かったです。    

     

 

河合(elabo)

社会問題を学んでいる人も実際にアクションに起こすまでは、なかなかハードルが高いと感じているような感じがしますね。小出さんはグレタさんのようなオピニオンリーダーに感化されたのですね。          

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

年齢は関係ないかもしれませんが、自分より年下の少女が1人で始めたってすごいな、と心から思いました。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

私は、幼少期、福島のいわき市の辺り一面田んぼがあるような田舎に住んでいて、幼少期は川の中に飛び込んだり、のびのびと自由に遊んでいました。それが、2011年に東日本大震災が起きて、原発が原因で私の住んでいた地域が自主避難区域になってしまい、東京に被災をして、そのままそこに引っ越すことになったんです。東京に住んでみて、都市と自然のあるところの乖離が激しいと感じました。東京の中学校って台風が来ると、公共交通機関が止まったりするので休校になったりするんです。私はそれが衝撃で、幼いながら環境に対して危機感を抱き始めました。大学に入って、『不都合な真実』というドキュメンタリー映画を作った、アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領のイベントに参加して、同世代で頑張っている仲間たちと直接話すことができて、私も何かやりたいなと思って、活動を始めることになりました。      

 

河合(elabo)

昔から、関心があったのですね。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

そうですね。National Geographicという雑誌を私の家は毎月買っていて、それには気候変動の特集とかもだいぶ前から載っていたので必然的に関心は抱いていました。ただやっぱり先ほどおっしゃっていたように、行動するっていうところにまで行くのには結構時間がかかりましたね。

 

高橋英江(Climate Live Japan)

私は小学校1年生の時に、ドキュメンタリーを見て、人間が与えた地球への影響にびっくりしたのが大きなきっかけです。もともとポルトガルに住んでいて、オバマ大統領が選挙に出て当選するまでの期間は、学校全体ですごく活発に話し合いが行われていたし、当選した当日も初のアフリカ系アメリカ人の大統領ということで、お祭りのような盛り上がりを見せるほど、小学生でも政治について話し合ったりすることが普通な環境のなかにいました。当時は、友達に、賃金問題に関するストライキがあって学校が休みになるから今度遊ぼうよ、とかストライキが当たり前でした。奴隷制度を輸入した時代背景がポルトガルにもあるため、過去の問題を通して、国民全体で声を挙げてもっとよりよい社会にしていこうという意識があるのは、そういった歴史があるからなのかもしれないですね。でも日本に引っ越してきてからは、なぜか学校では社会について話せないような雰囲気があり、変に目をつけられたくないし、社会的なことについて話すのはやめよう思って、6年間過ごしていました。アメリカの大学に進学したのですが、気候変動問題の現状について調べてみたら、進行していくばかりで、「自分でも行動を起こさなきゃ」と思って始めました。      

 

河合(elabo)

ありがとうございます。お話を聞いて、皆さんはご両親を筆頭に、上の世代から影響を受けたり、海外で幼いころから日常の中に当たり前に社会問題について話すような環境を体験されたことが大きなきっかけになっているのだなと感じました。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

やっぱりそうですね。私も先ほどの海外の話は共感できますね。結構うちの家も変わってて、家の中で普通に政治についてや税金とかの話をしてて、やっぱり外部のところに出るとそんな話なんかしないじゃないですか。私も高校生の時にアメリカに1年留学してたんですけど、そこで「社会や政治に関する問題を普通に学校でも話すんだ」と気がついたことが結構衝撃で、「こんな風に日本もなればいいのに」と思ったのをすごく覚えてます。こういった活動をしている人たちは、イベントに自分で参加して知って行動も起こしてらっしゃる人も多いですね。それこそ貧困の問題に関心のある人で、NGOのセミナーに出たら、案外それが気候変動に絡んでることがわかって、気候変動の活動に参加しようとされる人もやっぱりいますね。

         

■なぜ日本で若者の社会運動が浸透しないか

 

河合(elabo)

そうなんですね。気候変動は様々な人間的な営みの結果、引き起こされるものであるために、ほかの社会問題に関心があった人も、学んでいくうちに気候変動に関する活動にたどり着くこともあるのですね。やはりそう考えると、普段から社会問題について考えたり、話し合ったりする場があまりない日本の環境にいると、それぞれのトピックが別々のものとして扱われ、自分の関心以外の問題については触れる機会も少なくなってしまうのだと思います。そういったこともあるのか、日本の若者は、欧米の若者と比べて環境問題への関心が薄く、グレタさんのようなオピニオンリーダーも生まれにくいと考えます。それはなぜだと考えますか。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法案に反対する学生が起こしたSEALDsもすごく盛り上がったじゃないですか。でも、そういった活動が長期的に行われることなく消えちゃうっていうのは、学生が声を上げることに対して社会がまだまだ寛容じゃないのかなというふうに思っていて。これは偏見かもしれないですけど、Fridays For Future 等の活動をしている子って比較的に経済的に余裕のある層の家庭というイメージがあるんです。でもそれは、その層にしか情報が届かない社会構造が存在しているからなのだと思います。限定された層にだけでなく、より広い層に届くべきなのに、まだまだそこまで届いていないというところが、学生の運動があっても続かないというところに、現れているのかなと思っています。    

   

また海外だとこういった活動に対して寄付を募りやすい傾向があるとお聞きしました。一方で日本では、学生の運動は学生だから、というくくりで終わっちゃうようにも感じています。そうではなくて、学生も社会の構成員の1人の責任として扱うことで活性化され、より活動もムーブメント化してくるのかな、と思います。学生はバイトして、学校行って、しかも学校で奨学金借りてて、みたいな話になると、どうしても活動に時間を割くことができないじゃないですか。そういう背景とかもあって、難しくなってるのではないかなと思います。

 

河合(elabo)

活動資金という視点は、活動を続けるうえで非常に重要になってきますね。田代さんは学生の運動を対象に説明してくださいましたが、エネルギー・アナリストの大場さんも日本人が環境問題に対して意識が低いのは、その産業に従事する労働者が多くないことも理由の一つである、とおっしゃっていたのを思い出しました。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

より幅広い層に届ける手段として、私たちは音楽という誰しもが触れる媒体を使って行っているんですけど、実際それがどれぐらい届いてるのかっていうところは、今までオンラインでライブを行ってきてるので本当にわからないところはあります。どういう風にやっていけばいいのかについては、私達も本当に模索中です。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

あと就活も活動が大きくならない一つの要因だと思っています。会社員やどのような形であっても、個人のやりたいことを取り組むことができるような社会になったら、もっとこういう活動も広がっていくのかなと思います。

 

河合(elabo)

環境問題とかに限らず社会問題に関心のある若者って意外に多くて、活動とかもしたりするけど、就職や結婚といった人生における大きな転機でその活動から離れてしまうみたいなことがあるのかもしれないですね。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

最近、企業側が最近SDGsを謳っているところもあり、学生側も社会問題に関連する活動をしていたことをアピールしたり、「社会貢献」を就職の一つの軸として選んだりすると思います。ただ入社後、それができるかというと、そうでもなかったり、むしろ、企業側の人から聞いた話なんですけど、入社した途端、そんなことは言わなくなったということもあるそうです。

   

私は、経済的にすぐには還元されないことでもすごく大事だなと思うことがありますが、今の社会ではお金にならないと続けられない、継続できないっていうのがあるのが大きな課題だなって思っています。教育が一つ挙げられると思うんですけど、長期的に見たら未来の社会にとって有益でも、すぐ利益にするのが難しいと思ってます。お金にならないけど、でも大事だよねっていうのがみんなで認識として持てたら、いいのかなとは思います。

 

■プラ新法は効果ある?

 

河合(elabo)

続いての質問に移らせていただきます。欧州などではストローやカトラリーの素材変更の徹底など目に見える部分で環境意識を高める工夫をしています。環境エネルギー問題、気候変動に対して当事者意識を持てないのも意識の低い原因の一つだと思いますが、今年4月から導入されたプラ新法によって日本でも変化は見られたと思われますか?

 

田代マホ(Climate Live Japan)

私が一主婦として思うのは、買い物しててもたくさんの人が相変わらずビニール袋をもらっているな、ということです。何でビニール袋が有料になったのか、お店のレジのオペレーションの人までその意味を把握してないと、本当に意味のある政策になるのかな、と思ってしまいます。企業側の改革なのか、一般市民の意識改革なのかはちょっと私もまだわからないんですけど、何かを大きく変えないと、認知促進っていうところにもちゃんと繋がらないのかなと思っています。

 

河合(elabo)

確かにビニール袋がなぜ有料になったかという背景をしっかりわかった上でエコバックを使ってる方はあまり多くないのかもしれませんね。お金かかるならエコバック持っていくかとか、2円とか3円ぐらいだったら絶対もらった方がいいじゃんみたいな考えにとどまってしまうのかもしれませんね。やっぱり社会問題と自分の生活を結びつけられないっていうのはあるかなと。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

私はむしろ新しいビジネスを産んでしまったのかなと思っています。いま多くの小売店で様々なデザインのエコバックを売っていますよね。もし石炭火力発電所ができちゃったら、私達が少しずつビニール袋を使わないことで削減した二酸化炭素なんて一気に相殺されてしまうんです。必ずしも全員が環境のことを意識して、問題を理解して、レジ袋を断るととならなくともいいとは思うのですが、お金がかかるからエコバッグを使うとか、他の理由で行動を変容していくっていうのも一つの方法ではあると思います。でもやっぱり2円とか、3円ではそうは大きく変化しないよなって。ただ、例えば京都の亀岡市では、令和3年1月1日からプラスチック製レジ袋の提供が有償無償を問わず禁止されているんですね。地元の川の汚染が広がったことで地域住民と行政が連携して条例として成立しているのですが、やっぱり生活レベルでの市民の意識とか、草の根的な起点から生まれたものはすごく定着するのかなと思います。やっぱりトップダウン的にやるというだけでは足りない部分もあると思います。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

その問題は難しいなと思います。これだけ危機的な状況になってきていて、大きな改革が必要とされる中で、市民レベルの活動に頼っていて間に合うのだろうかという危機感もあります。

小出愛菜(Climate Live Japan)

どちらか一方じゃなくて、上と下、両方からやっていかないと、お金だけでは動かないところはありますよね。これをやればこうなるみたいなのって、正解がないっていうか、タイミングとか社会情勢とかいろんなことが組み合わさって、社会が変わっていくと思うので、いろんな選択肢がありうるのかなと思います。まず社会に対してもやもやすることだとか、気になるとこを話していける社会になっていけば、少しずつ関心が広がっていくのかなと思います。もちろん、それをやってるだけではスピード感が足りないので、行政や自治体に対しての声かけも同時にしていく必要があるのかなと思います。これから各地域ごとの取り組みってすごい大事になってくると思います。      

   

■どうすれば環境問題を当事者として理解してもらえるのか

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

多くの日本人が「自分たちは自然を変えられない」という意識があるがゆえに、異常気象が起こっても、自分たちの行動の範疇ではないんだろうと思ってしまうのかなと最近は思い始めました。Eテレで太田光さんがやってる番組があって、この間「世界で異常気象 #HeatApocalypse 熱の黙示録」という回があったんです。その中で世界の気候変動の話のとき、なぜそれが起こってるかっていう話がなかったのがすごい残念だったんですけど、「私達はこの自然災害を受け入れてくしかないよね」って出演者の一人の方がされていたんです。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

最近、街路樹についての本を読んだんですけど、そこには、都市の生活をしてる人は自然と関わる機会が減っているから、自然に対するリスペクトがどんどんなくなっていると書かれていました。人間も自然の一部という意識がなくなっちゃうと思うんです。都市に住む人は人間が作り上げたものの中にいて、それは今の社会構造にも同じことが当てはまると思っています。地球環境を考えるのであれば、人間は自然界の一部にという認識を持つことも大事なのではないかと感じます。

河合(elabo)

そういった情報って、小学校、中学校と義務教育の中で、社会という教科の中で知識として学んだりはすると思うんですけど、そこから実際に自分がアクションを起こすとか、それについてしっかり考える、話し合うまでに至らず、「そういった事実があるんだな」という認識にとどまってしまう感覚がありますね。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

受動的過ぎますよね。私達はClimate Live Japanの他に、3.5seedというイベントをやってるんですけど、そこでは社会問題について考えて、アウトプットをして、意見を交換してもらうというプロセスをメインにしているんです。

 

河合(elabo)

実際に先ほどもグレタさんの活動から感化されたみたいな話もありましたし、そういったコミュニケーションが増えるだけでも、運動として大きくなっていくのかなって。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

今SDGsって義務教育の中に織り込まれたりとかするとは思うんですけど、知識として受け取ってるだけで、自分たちが関わってる問題という実感だったり、手触りだったりがないと思うので、そういう活動をしてる人から、若いうちからから直接話を聞いてみるとかっていうのが今後広がっていけば、変わっていくのかなと。活動する側の者にとっても子供の視点ってすごい刺激になると思いますし。

 

■アーティストと社会問題

 

河合(elabo)

ありがとうございます。次の質問に移らせていただきます。海外では環境問題に対して高い関心を示しているアーティストも多くいて、先日来日し、環境に配慮したライブを心がけているビリー・アイリッシュや、環境に負担をかけないために当分コンサートツアーを行わないと発表したコールドプレイが代表的だと思います。日本でもそのようなアーティストが出て、注目されるためにはどのようにしたら良いと考えますか。また今回出演されるアーティストの方々をなぜ選ばれたのかお話いただければと思います。

高橋英江(Climate Live Japan)

実はこの間、偶然が重なってビリーのライブに展示物を置かせてもらえたんです。海外で音楽と社会問題を融合させたイベントを長年作ってらっしゃる方がいて、その人にClimate Liveを通して繋がることができたんです。欧米では、アーティストは環境問題に対する意識を表に出しやすいので、環境にいいことをしたいってことで活動を行えて、社会問題に関心のあるアーティストとして敬意を集めているんですよね。だから海外の方がやりやすいんだろうなと思います。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

今の話を聞いて、日本はアートに対するリスペクトが小さくて、立ち位置も海外ほど高くないのかなと思いました。

河合(elabo)

それはコロナで緊急事態宣言が出た時の対応にも表れてましたよね。全然補助金が出なかったりだとか。

     

小出愛菜(Climate Live Japan)    

芸能人やアーティストの方が政治的発言をしにくいのも、日常的に政治の話をしないがゆえに、完全にアーティストと一国民、市民という側面を分離させてしまっているからな気がします。でも本来、音楽もその始まりにおいては政治との繋がりがあったと思うんです。      

田代マホ(Climate Live Japan)

ジャズとか特にそうですけど、社会で抑圧されていたアフリカ系アメリカ人が作った背景がありますし、市民運動の中には必ず音楽があったとか、音楽にはそういうインパクトを生み出す力があると思うんですよね。ところが日本では、日常生活とも政治が本当分離されちゃってますよね。      

河合(elabo)

それをアーティストも内面化してしまっていて、何か問題が起こったときにアーティスト自身が、「僕らは音楽をするしかない」と議論を収束させてしまう側面もあるように感じます。やっぱりそういったところで議論が生まれにくくなってしまうことがあるのかなと。

 

高橋英江(Climate Live Japan)

それって日本だけの問題じゃないと私は思っています。例えば、テイラー・スウィフトが社会的政治的な関心を表現するようになったのって売れた後なんですね。海外もいろんなオピニオンがあるからこそ、政治に対する意見が異なると、その音楽を聴きたくないと思っちゃう人もいるわけで、アーティストが政治的発言をすることにハードルがあるのは、日本だけの問題じゃないかなとも思います。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

カントリーミュージックは保守派が多いですもんね。テイラーが政治的な発信を初めてSNSの更新をする瞬間を映したドキュメンタリーを見たことがあるんですけど、発信することについてたくさんの人と議論して決めたようでした。日本だけじゃないんだなと思って驚きました。      

                                     

 

河合(elabo)   

個人的にはSirupさんやRina Sawayamaさんとか、そういったアーティストの方とか、社会問題への関心を前提に音楽性を好きになることもありますよね。すべてのアーティストが同じような道を進んでいるわけではないとは思います。私たち世代で活動してる人は、そういう発言してる人を尊敬する動きはあると思うんです。日本でもアイコンとなる同世代の人がいたら、またもうちょっと変わってくるような感じはします。ビリー・アイリッシュのような。

田代マホ(Climate Live Japan)

今回私たちのライブの出演アーティストについては、政治や社会に対する発言を条件にはしないで、ラインナップを考えつつ選び、依頼しました。私達の方で気候変動に関する勉強会を開催するので、アーティストの方々にも参加していただくことによって、気候変動について考えていただき、そこから何か発信してもらえればと願っています。      

小出愛菜(Climate Live Japan)

普段、気候変動に関連したニュースを見ていても、点々と起こっていることを知るだけになってしまうと思うんですけど、国際環境NGO350 Japanによる気候変動基礎クラスでは、気候変動について網羅的に知れる機会になっています。

 

河合(elabo)

では今回は、アーティストの皆さんも、参加者の皆さんも一緒に学んでいく機会になるのですね。    

小出愛菜(Climate Live Japan)

アーティストの方も関心がある人は、何かやりたいと思っていてもアーティスト活動がある中で、なかなか行動を起こせないと言うお話も聞いています。Climate Liveをきっかけに一緒に考え、話せる場を作っていけたらいいのかなと思ってます。

■メッセージ

河合(elabo)

最後にはなるのですが、「自分一人が何かしたところで変わらない」、「大きな問題すぎて自分ごととして捉えられない」と思っている若者に伝えたいメッセージがあればお願いします。

 

小出愛菜(Climate Live Japan)

私も「私1人でやっても」と思ってたんですけど、たしかに自分一人で政策を変えるとかはできないけど、周りの友達とか家族とかに話していくことで、その人の意識が変わったり、より良い方向に変化していくことがあるので、気になることがあれば、話してみてほしいなって思っています。一緒に活動する仲間がいるから継続させることができていると思うので、仲間を見つけて欲しいと思います。人と話すだけでもひとつのアクションだと思うし、話すことで頭の整理もできるし。身の回りからも変えてはいけるのかなと。

田代マホ(Climate Live Japan)

1人で問題意識を抱えていて、周りの人に話してみても伝わらないと感じてしまっている人は、一度勇気を出して、コミュニティに参加してみたりすると、自分のことを受け入れてくれる人がいくらでもいることに気が付けると思います。自分が思ってることを正しいと信じて、行動してほしいと思います。

河合(elabo)

ミレニアル世代、Z世代で実際に活動していらっしゃる小出さん、田代さんからのメッセージに多くのyouthが勇気づけられると思います。今日は踏み込んだ部分まで考えをお聞かせくださり、本当にありがとうございました。

 

田代マホ(Climate Live Japan)

最後にライブについて告知させてください。ライブは10月16日に渋谷www、wwwxにて開催されます。あっこゴリラさん、ermhoiさん、碧海裕人さん、KOM_Iさん、TAMTAMさん、春野さんの6組のアーティストの方々に出演していただきます。詳細については以下のリンクからお願いします。

https://www.climatelivejapan.com/

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2022/09/24
インタビュイー |
小出愛菜, 田代マホ, 高橋英江

小出愛菜

一般社団法人 we Re:Act共同代表

1998年生まれ。立正大学地球環境科学部卒業。埼玉県所沢市在住。 中学生の時、父親がきっかけで地球温暖化に関心を持つ。国際環境NGO FoEJapanインター ン、気候変動対策を求めるムーブメントFridays For Futureでの活動を経て、現在に至る。 Instagram:https://www.instagram.com/aina_koide/

田代マホ

Climate Live Japan共同代表/一般社団法人we Re:Act代表理事 1997年生まれ。建築学科在学中の一児の母。

高橋英江

Fridays For Futureの活動を得て今に至る、時々記事を書いたり、写真を撮ったりしてる人

インタビュアー |
河合結水

2001年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部3年。コミュニケーション論とメディア批評のゼミに所属。

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